モーニングショー殺人事件【電子書籍】[ 大谷羊太郎 ]
<p><strong>一千万人の視聴者が証人の殺人……その背後には美貌歌手の隠された過去が!</strong></p> <p> 新宿区Y警察署捜査課の志水俊之刑事は、茶の間でテレビの生放送番組「モーニングショー」を見ていた。
今日は、番組の呼び物企画「懐かしのご対面」に人気歌手・里見比沙子が出る。
この企画は、タレントの昔の友人・知人を出場させ、本人同士を対面させる。
カーテンに遮られた対面者を、タレントがいくつかのヒントで当たりをつけていくという趣向だ。
ヒントが進むにつれ、比沙子は動揺の色を濃くする。
カメラは遠慮なく、その表情を映し続けた。
短いファンファーレののち、カーテンが開き、対面者の須賀井幸枝が現れた。
幸枝はニッコリと笑い、ジュース瓶を口に当て、ゴクリと飲んだ。
が、次の瞬間、絶叫をあげ苦悶にゆがんだ表情を見せた。
衆人環視の、いわば密室状況での“自殺”だった! その頃、幸枝の夫の隆も控え室で…。
</p> <p>●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)<br /> 1931年、東大阪市に生まれる。
慶応大学文学部国文学科中退。
大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。
芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。
翌年より推理作家専業。
トリック中心の推理小説を120冊以上発表。
近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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